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発表要約 (第四屆中國中古史青年學者國際研討會) [研究活動]

 8月末に参加した台湾での研究会(第四屆中國中古史青年學者國際研討會)の話が、ほったらかしのままになっている。気づけばあれからもう3ヶ月近く経っていて、やや賞味期限切れなのだけど、続きを書いておきたいのでちょっと蒸し返すことにする。
 それで、まずは自分の発表要旨の要約です。原著は要約のところだけ中文。。。汗(;´Д`A ``` なので、日文訳も下に載せています。

〈關於南北朝陵墓喪葬空間的構思和設計〉 提要
 構成陵墓的空間和設施都是與喪葬有關各種行為和儀禮祭祀的場所。我們往往重視墓室的調查研究,但是古人原本的陵墓設計構思應該是把墳丘和墓室以及外部設施全部都組合在一起才成為完整的意義。本發表是探討墓室和陵園以及外部設施各個空間的性格,闡明了這些設施在墓葬觀念和儀禮環境的方面構成陵墓的全體構思的容貌。因為禮制秩序最嚴格地規定陵墓喪葬制度,所以我們會看到陵墓正是凝聚著表現王朝的文化規範和世界觀念,王朝統治者層的思想觀念一定反映在陵墓全體像的設計和修建。筆者通過對南北朝陵墓空間構想的考古研究探討得出南北兩王朝差異的特點,這就是本發表的最終意圖。我特別指摘南朝一定策劃以建康吳會地區作為“中原”重新構築新的中華秩序。

〈南北朝陵墓喪葬空間の構想と設計について〉 要旨
 陵墓を構成する空間と施設は喪葬と関係する各種の行為や儀礼祭祀の場所である。我々は墓室の調査研究を重視しがちであるが、しかし古代の人々はもともと、墳丘と墓室および外部施設のすべてを組み合わせてはじめて完全な意義をなすものとして陵墓を構想したはずである。本発表は墓室と陵園さらに外部施設のそれぞれの空間の性格を検討し、これらの施設が墓葬観念や儀礼環境の面で構成する全体構想の様相を明らかにする。礼制秩序は陵墓の喪葬制度をもっとも厳格に規定しているため、陵墓はじつに王朝の文化規範や世界観念を凝縮して表現しており、王朝統治者層の思想観念が陵墓全体の設計と築造に反映されているにちがいない。南北朝陵墓の空間構想の考古学研究をとおして南北両王朝の差異の特色を導き出す、これが本発表の最終目標である。筆者はとくに南朝が建康呉会地区を「中原」として新たな中華秩序の再構築を意図したことを指摘したい。

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台湾へ研究発表に行ってきました [研究活動]

第四屆中國中古史青年學者國際研討會 2010.08.27~08.29
 はからずもお誘いをいただき、『第四屆中國中古史青年學者國際研討會』に参加してきました。会場は台湾・台北の国立台湾大学でした。
 僕にとってこの会は初めての参加で、これまでの発足や開催のいきさつはまったく知らない。なんでも40歳前後あたりを最年長に、下は20代後半あたりまで、中国・台湾・日本の若手中国史研究者が一堂に集って研究交流と人的交流をする国際研究会なのだそうだ。いまのところ2007年の発足以来毎年開催しているそうで、2009年までの3回は中国で開催、今回初めて台湾での開催となったとのこと。
 ところでこの会は、日本でいえば東洋史分野、つまり文献史学の中国史研究者の集会である。僕は東洋史の論文を勉強したり引用したりすることはあるけれど、考古学的方法で魏晋南北朝を研究している人間だ。僕自身がなぜ誘われたのかよくわからず、日本側事務局もなぜ台湾側から届いた招聘者名簿に僕が入っているのかわからず、といった具合ではあったが、せっかく招待してもらえたので参加することにした。この会への参加は基本的に聞き逃げ禁止で、参加者は全員、発表者か評論者かのどちらかをやらなければならないと聞かされた。そして朝から夕方まで缶詰め状態で、活発な意見や回答がやり取りされる研究会が3日間連続という、とてもヘビーな行程。事の次第がよくわからないまま、日本側事務局の方からのお誘いもあって、ともかく発表者としてエントリーさせてもらうことになった。
 ふだん日本で考古学の研究会・学会に参加するときは、もちろん真剣に話も聞くしいろいろなことを考えさせられるけれど、半ば飲み会目的みたいなものでもある。今回はそんなノリとは違って、どうやらふだんの自分の環境からは信じられないくらい本気の研究会のようだ。ついていけるんだろうか?しかも参加者のなかで僕ひとりだけ、考古学の人間である。日本ではよくあることだが、だいたい文献史学の人と考古学の人間は話が噛み合わないことが多い。そういうムードで議論や批判をされたらつらいなあ。。消耗戦になるうえに、多勢に無勢だもんなあ。。などという気持ちが心の中に多少渦巻く。刺激的で楽しそうな会に誘ってもらい、発表の機会ももらって、とても楽しみな反面、そんな若干の不安と気の重さが。。。ああ、こわいこわい。
DSCN9766re.jpg
↑ 初日の閉会後に参加者全員で集合写真。

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台湾の友人・趙立新氏 [研究活動]

 趙立新氏は、現在、国立台湾大学歴史学系に所属され、同大学教授の甘懐眞先生に師事しておられる。甘懐眞先生・趙立新氏は、本来は魏晋南北朝隋唐を中心とする中国中古史研究の文献史学者であられる。日本や韓国を含めた東アジアの考古学、とくに古墳時代についても、ひとかたならぬ関心を持ちであり、日本での古墳時代に関する研究会、論文・書籍、展覧会などに敏感な情報収集をされている。
 大変な努力家で、大学内外の気鋭の若手研究者たちとつながりを強くし、研究会の結成・設立や学術誌の新刊など、若手研究者中心の学術的問題意識の高い活動を目指して、積極的かつ精力的に新しい活動を進めておられる。彼は以前に1年半程前に偶然僕のブログを見て連絡をくれた方で、以来、しばしば抜刷や刊行物などを交換している。そんなやりとりをするなかで研究姿勢や活動状況、人柄をうかがい、台湾大学における若手の中国中古史研究者のリーダー的な存在で、また人柄は誠実で温厚、親切な人であることがわかる。
 こうした良い人間関係を大事にし、研究会や学界などを共にさせてもらいたいとおもう。また日本の学術動向の情報提供や日本の遺跡案内など、ぜひ交流を深めていきたい。付き合いはまだ長くないが、良き友人だ。

2009年4月上旬の受贈文献 [研究活動]

2009年4月上旬の受贈文献は下記のとおり。
○『臺大歴史系学術通訊』NO.1、國立臺灣大學歴史學系 2008.10
 (趙立新 「觀察與感想―「第二屆中国中古史青年學者聯誼會」會後」を収載)
○『臺大中国中古近世史研究通訊』第一期、國立臺灣大學歴史學系 2008.12
 (趙立新 「會議内外:「第二屆中国中古史青年學者聯誼會」」を収載)
○青木弘2009「古墳における堀込地業の分析史論―7世紀の武蔵地域を対象に―」(抜刷)
 (早稲田大学大学院文学研究科 考古談話会『溯航』第27号に収載)
○小野本敦2009「土器から見た南武蔵の古墳時代中期群集墓」(抜刷)
(『早稲田大学院大学院文学研究科紀要 第54輯(2008年度)』に収載)

中国とは [研究活動]

 中国とは、方法であるし、世界である。
誤解を恐れず短く言えば、そういうことになる。
 われわれ考古学や歴史学の研究にとってだけでなく、
おそらくある意味においては現代を考えるときもそうだといえるだろう。
しかしこのことを理解する人はごく少ない。
 つい最近のテレビ番組でも、有識者とされる学者や政治家、評論家が、
知ったかぶりでいいかげんな、中国に対するほとんど誹謗中傷としか言い
ようのない批判を展開していた。自身の無知に気付かないとは、恐ろしいことだ。
 考古学においては、近年は中国に関する知見を誹謗中傷の方向に使っては
いないが、方法としての、世界としての、そういう中国は理解されていない。
 中国は、方便として使われる。 とても残念だ。

行ってきます [研究活動]

 3月に入って少し経ってから、にわかに春めいてきた。ようやく温かくなり、風は少し冷たいものの、冬の風とはちがう。
 年が明けてからも、原稿と仕事に振り回され、心身ともに不健康生活を送っていたが、だいぶ状況が落ち着いてきたので、年度末の慌ただしさにもかかわらず、あさって/18火曜日から/23日曜日まで、中国へ見学旅行に出かける。
 行ってきます。。。

残念 [研究活動]

 去る11/1に白川静先生が、そして本日11/5に小林三郎先生がご逝去されました。
 白川静先生は、僕自身まったく直接の面識もなく、雲の上の存在のような先生でしたが、先生の著書をとおして、その学問には大きな影響を受け、またその学問への姿勢もふくめ、強く憧れる先生でした。またひとり、東洋学の泰斗がおられなくなりました。残念でなりません。
 そして小林三郎先生は、やはり親しく直接のご指導を受けたことはないものの、何度か酒席をご一緒させていただいたことがあります。また先生の奉職された明治大学は、僕にとってその学生・院生さん、教員の方々など、研究活動のうえで親しくさせていただいた大学です。それを思うと、やはり小林先生のご逝去は残念です。
 両先生のご冥福をお祈りします。若い我々の世代が、今後一層がんばらなければと只々強く思う次第です。


発表 [研究活動]

 先週土曜日の6/10、土曜考古学研究会で自分の研究発表のため、東京(というか埼玉)へ行ってきた。久しぶりの発表だ。発表は、どこでやるにせよ、なかなか機会をもらえるものではない。人前で話すというのは、話し方と考え方を整理するという意味でも、他人の意見や指摘をもらえるという意味でも、大きな研鑽の機会だ。ある程度定期的に発表の機会をもらうことによって、仕事が忙しい、などというつまらない言い訳などする暇はなく、どんな仕事のときも頭の片隅に自身の研究を考える慣れが身についてくる。自分自身にとって良い刺激だった。
 とはいっても、まだ来週末にも発表があるんですが・・・。今月はちょっと過密かな・・・。


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