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西安南郊の南北朝墓で大量の文物が出土 [魏晋南北朝考古]

 2008年9月22日、華商報は、西安南郊の南北朝墓を発掘調査中に大量の文物が出土したと報じた【華商報西安騰迅網】。出土文物には彩色楽俑、彩色侍俑、陶罐、陶馬、陶鶏、陶臼、陶磨、鉄剣と青銅釜がある。墓主の遺体はすでに腐朽してなくなっていたが、鉄剣が配置されており、墓主は西向き頭位、足を東側に向けていた。とくに注目されるのは彩色楽俑で、琵琶、古筝などを演奏している。 顔や髪型や衣服の裳の表現も写実的で、鮮やかに彩色されている。
 僕のみるところ、漠然と南北朝期と報道されているが、この俑はいわゆる咸陽十六国墓【亜東書店北九州中国書店】や平城期の北魏墓のものに類似しており、おそらく四涼(前涼・後涼・北涼・西涼)あたりか、あるいは北魏前期の墓葬ではないかとおもう。西安周辺での十六国・北魏墓とその文物の出土例は意外に目立たず、とくに俑の事例は少なくて、実態がよくわからない。そのため今回の事例はきわめて重要な成果だ。正式報告が楽しみだ。
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